国際ロマンス詐欺等について
最近、国際ロマンス詐欺、(ロマンス要素のない)SNSを通じた投資詐欺の相談が立て続けにありました。
結論から申し上げますと、これらのケースでは、被害回復は一般的に困難です。但し、被害回復が(一部)可能な場合もありますので、まずは、消費者問題に詳しい弁護士に相談することをお勧めいたします。
国際ロマンス詐欺とは、外国人等が、SNSやマッチングアプリ等を通じて知り合ったターゲット(被害者)に恋愛感情や親近感を抱かせて、金銭等を送金させる特殊詐欺です。
もともとは、外国人等が、被害者に会うための旅費などと言って送金させるケースが多かったのですが、最近では、被害者に投資を勧めて多額の送金をさせ、ウェブサイト上では利益が出ているように見せかけ、被害者が出金しようとすると出金できず、連絡もつかなくなるケースが増えています。
同じパターンで、ロマンス要素がない投資詐欺(SNSで出会った外国人等が投資のプロを名乗り、投資を指南すると言って多額の送金をさせるタイプ)もあります。
被害回復が困難な理由は、まず、相手方の外国人等を特定するのが難しいことにあります。弁護士は23条照会という方法でSNS等の運営会社に照会をかけることができますが、回答を拒否されることもあり、必ずしも相手方を特定できません。
また、こういうケースでは、多数の銀行口座に小分けで送金させられていることが多いので、送金先の口座を凍結する方法があります。但し、銀行口座には数百~数万円程度しか残っていないことも多く、さらに、単に分配金を得る場合には、当該口座への送金額で按分されてしまいます。
仮想通貨で送金しているケースについては、仮想通貨に対する差押え等は困難で、被害回復はかなり難しいです。
さらに、今まで述べたとおり、被害回復が難しい類型であるのに、被害回復が容易であるかのように見せかけて、多額の弁護士費用を請求し、ほとんど対応しない法律事務所もあるので、注意が必要です(弁護士費用は「経済的利益」(被害者の場合、請求する額)に対する割合でいただくので、一般的に被害額が大きい国際ロマンス詐欺等は、修正せずに計算すると、弁護士費用が多額になります)。
当事務所では、まず、銀行口座の凍結や相手方の調査だけを受任し、被害回復が可能そうであれば、被害回復が見込める範囲に応じて受任し、着手金をいただくという方法を採っています。まずはご相談ください。
【文:弁護士西田陽子】